正しい漂白剤の使い方!塩素系と酸素系の使い分けや、効果的なつけおき方法

お洗濯の時、漂白剤は使っていますか?

漂白剤は、洗剤と比べて使うのが難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。

落としたかったシミに対する効果が今ひとつというだけならまだしも、効きすぎて服の色や柄まで落ちてしまうことがあるので、確かに怖いですね。

けれども、使い方を理解した上で漂白剤を使えば、効果は確実に現れます。

漂白剤の種類や特徴、そして使い方を知っておきましょう。

目次

衣料用漂白剤の種類と特徴

まず、「漂白剤」は、「台所用」と「衣料用(洗濯用)」とに分けられます。
そして、「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」という違いもあります。
また、液体のものがほとんどですが、中には粉末状の漂白剤も存在します。

どんな衣類を漂白したいかによって、使う漂白剤は変わってきますので、2種類以上を揃えておく必要も出てくるでしょう。

塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違い

一番覚えておきたいのは、「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」の違いです。

塩素系漂白剤

ハイター

アルカリ性
主成分は次亜塩素酸ナトリウム
漂白力が高い
全ての色を漂白するので、衣料の色や柄も落ちることがある
ハイター(花王)など

酸素系

酸性
主成分は過酸化水素
漂白力が弱めなので、色柄のある衣料にも使用できる
ワイドハイター(花王)、ワイドハイターEXパワー(花王)など

弱酸性
主成分は過酸化水素
酸性の漂白剤と同様、色柄物にも使用可
手間なしブライト(ライオン)、ブライトSTRONG(ライオン)など

弱アルカリ性

粉末タイプ

主成分は過炭酸ナトリウム
酸性、弱酸性よりも漂白力は高めですが、色柄物にも使用OK
区別としては酸素系に含めます
ワイドハイターEXパワー粉末タイプ(花王)など

「酸素系漂白剤」の方が、色々な種類があります。

つまり、「強い漂白力を持つ塩素系漂白剤」と「それ以外の漂白剤」とに分かれていると考えればわかりやすいでしょう。

もし、漂白剤をひとつだけ持つとしたら、どんな衣類にも使える「酸素系漂白剤」が安心です。
安心して塩素系洗浄剤を使えるのは、柄のない白物だけだからです。
ただし、効果があまり期待できないという場合も出てくる可能性はあります。

衣料用漂白剤に関するいくつもの疑問

「まぜるな危険」表示が気になる。具体的にはどういうこと?

まぜるな危険

ボトルに大きく書かれた「まぜるな危険」という文字、ちょっぴり怖い印象がありますね。
これは、「塩素系漂白剤」についている注意書きです。

私が持っている「台所用漂白剤」は「塩素系」で表示があり、「衣料用漂白剤」は「弱酸性」で、注意書きはありませんでした。

「塩素系漂白剤」は効果が高いのですが、その分、取り扱いに注意する必要があります。
酸性のものと混ぜると、体に有害な塩素ガスを発生させてしまうからです。

通常のお洗濯では、漂白剤同士を混ぜて使うということはあまり考えられません。
けれども、今まで使っていたものの残りが1回分の使用量よりも少なくて、次に買った漂白剤が別のメーカーの商品だったということはあるでしょう。

この場合、たとえば「ワイドハイター」(酸素系)と「ワイドハイターEX」(酸素系)なら足して使っても問題はありません。

ですが、塩素系の「ハイター」と酸素系の「ワイドハイター」を混ぜるのは危険です。
絶対に避けてください

また、「酸素系」と「酸性」とは違うのかな? と思ってしまうかもしれませんが(私は一時期、そう勘違いしていました)、「酸素系」=「酸性」です。
塩素系漂白剤と混ぜてはいけません。

粉末タイプの漂白剤はどんな時に使う?

少し意外かもしれませんが、粉末タイプの漂白剤は漂白力が高めです。
弱アルカリ性ですが「酸素系」に分類されるため、色柄物にも大丈夫。

普段、お洗濯をする時に、洗剤と液体の漂白剤を一緒に入れているけれど効果がわからない… という場合には、粉末の漂白剤に変えてみるのもいいかもしれません。

また、ぬるま湯から少し熱めのお湯(50℃くらい)に溶かして、衣料をつけおき洗いにすると一層効果が出ます。

普段のお洗濯にはもちろん、少し手間をかけてきれいにしたいお洋服に使うのがおすすめですね。

台所用漂白剤とは違うもの?

台所用の漂白剤はアルカリ性で、衣料用の塩素系漂白剤と同じです。
主成分も同じ(次亜塩素酸ナトリウム)なので、使いまわしができないわけではありません。

ただし、台所用漂白剤には漂白成分だけでなく、洗浄成分の界面活性剤が含まれている場合があります。
その分、シミを落とすという本来の役割が弱くなってしまうのです。

本当に困っているシミには、衣料用の塩素系漂白剤を使うのが一番です。

洗濯用洗剤と併用するときの疑問あれこれ

Photo by Fabien Bazanegue on Unsplash

漂白剤は、水(お湯)に溶かして衣類をつけおきして使う、衣類にじかに塗って少ししてから洗濯をするほか、洗濯機に洗剤と一緒に入れて、そのまま洗い上げることもできます。

洗濯用の洗剤と併用する際に知っておきたいことをまとめます。

洗剤と漂白剤の、効果的な組み合わせはある?

漂白剤は、種類によって漂白力に違いがあります。
洗剤にも、種類があります。

それが「弱アルカリ性洗剤」か「中性洗剤」か、の違いです。
洗浄力は「弱アルカリ性」の方が高くなっています。

一般的な洗剤は「弱アルカリ性」。
衣類の風合いを保ちたいとか、手肌の荒れが気になるという場合に「中性洗剤」が選ばれます。

漂白剤の効果を高めたいのなら、

弱アルカリ性の洗剤+塩素系漂白剤の一択

ですが、塩素系漂白剤を使用する場合は、中性洗剤でも充分に漂白力があります。

次に

弱アルカリ性の洗剤+酸素系漂白剤(酸性~弱アルカリ性)
の組み合わせとなります。

普段のお洗濯に一番使われるのが、この組み合わせではないでしょうか。
難しいことを考えずに、どちらも既定の量を使用するだけで洗浄力に漂白力をプラスできます。

中性洗剤+酸素系漂白剤(弱アルカリ性)※粉末タイプ

肌のトラブルなどの理由から、中性洗剤を愛用している人には、この組み合わせが一番効果があります。

中性洗剤の「優しさ」を、酸素系漂白剤の中で一番漂白力がある粉末タイプがサポートします。

中性洗剤+酸素系漂白剤

全くシミが落ちないというわけではありませんが、他の組み合わせに比べると効果は物足りないでしょう。

前もってシミの気になる箇所に漂白剤を直塗りしておいたり、つけおきしておくなどのひと手間を掛けることをおすすめします。

漂白剤を入れて洗濯したら、除菌や消臭効果はある?

洗剤自体に除菌効果や消臭効果がうたわれていることも多いですが、漂白剤でも除菌・消臭が可能です。

悪臭の原因は、洗濯ものに付着した菌。
漂白剤には、菌を殺菌する力があるので、除菌とともに消臭の効果を発揮するからです。

また、漂白剤を除菌や消臭目的で使う場合に、ひとつ知っておきたいことがあります。
この用途には、酸素系漂白剤が最適だということです。

意外なことですが、漂白力の高い塩素系漂白剤は、薬剤である塩素のニオイが残りがち。
プールの消毒薬のニオイ、と言えばイメージしやすいでしょうか。
このため、かえってニオイが気になるということになってしまいます。

ですから、除菌・消臭目的で漂白剤を使うなら、酸素系漂白剤を選びましょう。

つけおきの時間や温度、分量って?

漂白剤のパッケージには、漂白剤を使用するときの用法が表示されています。
それに従えばいいのですが、もう少し漂白剤の量やつけおき時間を増やしたら効果が上がるのでは? と思ったことはありませんか?

その疑問についての答えです。

つけおき時間は長い方がいい?

漂白剤のつけおき時間の目安は、30分~2時間です。

ですが、塩素系漂白剤の場合は20分~30分で効果が現れ、それ以上時間を置いても変化はありません
それどころか、30分を超えて柄物の衣類をつけおきした場合には、柄が薄く色褪せてくる心配があります。

塩素系漂白剤のつけおきは、30分を目安にしましょう。

酸素系漂白剤でつけおきをする場合には、効果がゆっくりと現れる傾向があります。
大体30分つけた時点で、塩素系漂白剤の5分と同程度のシミ落ちです。

弱アルカリ性の漂白剤(粉末タイプ)で1時間経過しても、塩素系漂白剤を使った時のような目に見える変化を期待することは難しいです。

2時間ほどで、シミが落ちてきたということが実感できるようになりますが、塩素系漂白剤のシミ落とし効果に及ぶものではありません。

よって、酸素系漂白剤でのつけおきは、1時間を目安に最長2時間と考えればいいでしょう。

漂白剤の分量を増やしたら、早くシミが落ちるのでは?

規定量と、その倍の量の漂白剤を水に溶かしたものに、シミのついた色柄物を10分つけおきした結果は意外なものです。

使ったのは、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤(弱アルカリ性・粉末タイプ)。

規定量を使用した時は、どちらも順調にシミが落ちていましたが、塩素系漂白剤倍量の方は色が薄くなりはじめ、白い部分に黄ばみが出てきます。酸素系漂白剤も、肝心のシミよりも色柄の方が落ちてきてしまいました。

つまり、漂白剤の量を増やすことはシミ落とし効果には無関係で、むしろ色あせの恐れがあるのです。

漂白剤の使用量は、パッケージに書かれている分量を守りましょう。

漂白剤を溶かす水の温度で効果は変わるの?

漂白剤の使用方法には、水かお湯(50℃程度)で薄めて使うことと書かれています。
お湯を使うと、漂白力は上がるのでしょうか。

結論から言うと、お湯で漂白力が上がるのは確かです。

ただし、はっきりと漂白力が上がったと感じるのは、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤(弱アルカリ性・粉末のもの)。
酸素系漂白剤で液体の場合は、感激するほどの変化はありません。

とはいえ、お湯を使用すると、漂白剤の効果は高まります。
色あせしないように、つけおき時間を短くする、こまめに様子を見るなどしてください。
また、デリケートな素材でできた衣類は、お湯での漬け置きは避けた方が賢明です。

ちなみに、お湯で漂白すると非常に効果的なのがワイシャツや下着類などの黄ばんだ汚れです。
この汚れは、皮脂が溜まって酸化したもので、普通の洗濯や漂白では落ちにくいのです。

黄ばんだシミを落とすためには、60℃くらいの少し高めの温度のお湯に漂白剤を入れてつけおきしましょう。
お湯で皮脂が溶けだして、汚れが落ちやすい状態になります。

使う漂白剤は、色柄ものにも安心して使える酸素系漂白剤(弱アルカリ性・粉末タイプ)がおすすめです。

漂白剤を効果的に使って、シミをきれいに落としましょう

Photo by Fabien Bazanegue on Unsplash

なんとなくで使っていた漂白剤の使い方を、一度見直してみませんか。
効果的な使い方を知っていれば、今までよりも汚れをすっきり落とせるようになりますよ。

塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いは、漂白力の強弱にある、ということだけでも、知っておくと役に立ちます。

また、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤をひとつずつ持っているのが理想ですが、もしどれか一つに絞るなら酸素系漂白剤(弱アルカリ性・粉末タイプ)のものが使い勝手がよくおすすめです。

なお、漂白剤は開封後、次第に有効成分の効果が弱まっていきます。
保存状態にもよりますが、半年を目安にして使い切りましょう。

漂白剤をうまく使って、お気に入りのお洋服をいい状態で保つことができますように。




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