片づけを習慣にする方法を知ってますか?意志ではなく、脳を使いましょう

あなたのお部屋、きれいですか?

ドキッとしたら、ごめんなさい。
でも「お片付けなら完璧にできています!」と胸を張って即答できる人の方が少ないと思います。

もちろん、私もそうです。

↑ ここまで文章を打ったあと、5分くらい片づけをしました。

具体的には

  • カウチソファの上に取りこんだままだった洗濯物を収納した
  • 後で読もうと思ってためていたダイレクトメールを処分した

これくらいです。
でも、これだけで「完璧ではなくてもきちんと片付いた部屋」にはなったと思います。
床に余分なものは置いてありませんし、使いっぱなしのものが出ていることもありません。

ダイレクトメールをためこんでしまうくらいなので、完全に片づけの習慣ができているわけではないと思いますが、結構いい線行ってるんじゃない? と自画自賛しています。

雑誌『CHANTO』の2019年7月号の「頑張らなくてもすぐ片付く部屋」という記事を読みながら、自分がどうやって片づけができるようになったのかを思い出しつつ、まとめてみました。

はじめに「部屋をきれいにしたい!」という強い気持ちありき

私はひとり暮らしなので、部屋が散らかっているなら、全部私の責任です。
残業が続いて部屋を片付ける時間がなかった、とか、体調が悪いとか。スマホゲームのイベント期間中で忙しかったとか(?)

家族でお住まいなら、もっと大変だと思います。
自分はお片付けをしようと思っているのに、小さいお子さんがいるならそれどころではないですし、旦那さんが家事に協力的でない場合も手伝ってはくれないでしょう。
それどころか、家族が散らかしてしまうこともありますよね。

自分が原因の場合も、そうでない場合も、最初に必要なのは「片づけたい!」という気持ちです。

「こんなお部屋はもうイヤ!」という、ちょっと(かなり?)切実な状態から再起を図る場合もあれば、「新築のおうちだし、ずっとぴかぴかでキレイな状態を保ちたい!」というハッピーな気分から片づけのモチベーションが湧くこともあります。

動機は色々でも、「片づけたい!」という思いは一緒です。
その気持ちがあるだけでもすごいことです。自分の意欲を大事にしましょう。

実際に、最初の一歩を踏み出す

Photo by Max Kleinen on Unsplash

次に大事なのは、「実際に何らかの片づけを始める」ことです。
行動力ですね。

気持ちがあっても、行動力が伴わなければ、何も進みません。
散らかったお部屋は散らかったままでしょうし、ぴかぴかのおうちもモノであふれかえってしまうかもしれません。

まず、一番気になるところを少しでもいいから片付けてみましょう。
玄関に出しっぱなしにしがちな靴を一足、靴箱に入れるだけでも成果です。

「お掃除」はしなくても大丈夫ですよ。
玄関を掃くとか、靴箱の棚を拭くという作業は、「お片付け」とは別だと考えてください。

ひとつの片付けができたら、「ちゃんとできた」ことをしっかり意識します。

靴を片付けた!スッキリした!すごい!やろうと思ったらできる!

バカらしく思えるかもしれませんが、この成功体験を味わうことこそが重要なのです。
成功体験によって、脳内ではドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が分泌されます。
ドーパミンは快楽物質なので、脳は再びドーパミンを欲して「片づけをしたい!」という欲求を出します。

そうしたら、また次の「お片付け」をしましょう。
脱いだままだった上着をハンガーにかける、使いっぱなしのはさみを所定の位置に収めるなど、なんでも結構です。

そして、自画自賛モードに入ってドーパミンを味わいます。
ちょっとアブナイ感じがしますが、こうすることで意図的に脳に片づけを習慣づけるよう仕向けることができるのです。

脳はとにかく現状維持を望んでいる

Photo by Timothy Dykes on Unsplash

こうまでしないと「新しい習慣」を身につけることができないのは、脳そのものが「新しいことはしたくない」という性質を持っているからです。

新しいことをしたくないどころか、「新しく挑戦するのは疲れるからやめよう」とか「いつもと同じことを、同じ方法で、かつ、できるだけラクにしよう」という信号を送ってきさえします。
いわば、全力で現状維持をしたがる器官なのです。

まるでナマケモノのように思えますが、脳にしてみれば立派な理由があります。

まず、脳が働くには非常にたくさんのエネルギーが必要なこと。
そのため、脳が働かずに済むことは、できるだけ「習慣で自動処理」するようになっているのです。

また、生物の本質として「現状で命にかかわる問題が起きていない」=「今のままが安全」と感じるのも理由に挙げられます。
「新しいことにチャレンジする」=「危険(の可能性あり)」と認識してしまうんですね。

こういった理由で、脳はなかなか新しいことをしたがらないため、「良い習慣を新しく身につけるのは難しい」ということになります。

ですが、毎日、ほとんど無意識のうちにやっていることはありますよね。
朝、大体同じ時間に起きることや、仕事に行くこと、メールをチェックすることなども、立派な「習慣」です。

こういった「毎日無意識に行う習慣」は、毎日行うという必要に迫られたからこそ身についたものです。
片づけをするという習慣は、残念ながら、毎日必ずやらなければ命にかかわるといったものではありません。
ですから、なかなか身につかないのです。

お片付けだけではなく、日記を書く、家計簿をつける、英語の勉強をする… そんな目標も、同じように習慣づけが難しいといえますね。

意志の力で何とかならないの?

意志の強さは行動力になります。
行動力が続いている間に、何らかの成果が出たら、嬉しくなってモチベーションが上がり、さらに続ける力になります。

ですが、なかなか成果が出なかったり、最初は調子がよかったのに停滞してしまったらどうでしょうか。
焦ったり、イライラしたりして、いつしかやめてしまう… そんな結末になるのではないかと思います。

ダイエットや禁煙もそうですね。
途中までは気分よく続けていられたのに、何かをきっかけにしてドカ食いからのリバウンド。
付き合いもあるし、一本くらいいいかと思って吸ったタバコから再び、今まで以上のスモーカーに…

頑張った分だけ、反動が大きいのではないでしょうか。
そんな時は自己嫌悪にもつながる場合が多いので、余計につらいと思います。
私にも大いに経験がありますから、よくわかります。

ですから、むしろ「頑張らない」ことが大切なのです。
頑張らずに、脳を使ってクセをつける。

はさみを出して、使って、また元の位置に片付ける。
何も考えず、無意識にそういうことができるようにするのを目標にしましょう。

片づけを習慣化する具体的な方法

Photo by Fab Lentz on Unsplash

それでは、脳に新しい習慣を覚えてもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。
一説によると、行動が習慣に変わるまでは3週間の継続が必要だそうです。

つまり、

  • 行動するためのやる気を上げる
  • 目標とする行動の継続力を上げる

を心掛けながら、3週間以上続ければいいわけですね。

3週間と聞いて、長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれだと思います。
でも、実際に試してみたら、「案外短かった、あの時やってみてよかった」と感じるかもしれません。
最初の一歩の大切さを、どうぞ思い出してみてください。

行動するためのやる気を上げるには?

本当に片づけたい! という強い気持ちを持つ
簡単な片付けから始める
片づけたという実感を持つ
また簡単な片付けをする
片づけたという実感を持つ

先に書いたとおり、この繰り返しでOKです。
小さいことから始めることと、行動のハードルを下げることで、かなりやる気が出ます。

また、少し慣れてきたら自分に対するプチごほうびを用意するのも有効です。
キッチンの引き出しを全部片づけ終わったら、大好きな森永の練乳氷を食べる、なんて決めると、私のドーパミンは大放出されます。

ドーパミンは成功した(=気持ちがいい)と感じた時だけではなく、楽しいこと、気持ちのいいことが待っているという時にも分泌されるからです。
そしてこの場合、ドーパミンが出る=やる気が出る、です。モチベーションがぐぐっとアップするわけですね。

家族や友人にほめられるということも、ドーパミンの分泌につながります。
きれいに片づけたところを写真に撮って、SNSに上げてみるのもいいかもしれません。
「いいね!」と反応してもらえたら、ますますやる気が出ますよ。

目標とする行動の継続力を上げるには?

成果が上がっていれば続けやすくなります。
そして、やる気が充分にあれば、自然と継続できるものです。

片付けの場合は、1日に1か所だけをきれいにしたとしても、3日で3か所、7週間で7か所と徐々にきれいなところが増えていきます。
それに、一度きれいにしたところは、少し散らかったとしても、前回よりは簡単にきれいになりますね。
成果が見た目でわかるので、段々自信がつきますし、続けられることでしょう。

やる気を上げるには、先にも書いた通りドーパミンです。
ある程度きれいになったら、仲のいいお友達を招くとか、居心地のよくなったリビングで好きな映画のDVDを見るとか、そんな目標を立てるのも素敵ですね。

また、食べ物からドーパミンの生成を促すことができるとも言われています。
チロシンというアミノ酸を多く含む食べ物を食べれば、ドーパミンの生成の役に立つのだそうです。

チロシンを多く含む食材は、タケノコやチーズ、乳製品、納豆、バナナ、アボカドなどです。
チロシンはドーパミンだけでなく、集中力や決断力を高めるアドレナリンなどをつくる素になります。意識して摂るのも良さそうですね。

ずっと続けられる片づけ習慣を身につけましょう

以上、「頑張らずに片付けができるようになる方法」でした。

片づけを習慣化して、少し散らかしてしまってもすぐに片づけられるようになると、とても快適なおうちで過ごせるようになりますよ。
それに、自分にちょっぴり自信がつくというおまけもついてきます。

脳に新しい習慣を覚えさせるステップは、お片付けだけではなく、ダイエットや禁煙にも応用できます。
どうぞやってみて下さいね。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です